バセドウ病~甲状腺の病気は疑うことから~|佐賀県武雄市武雄町の内科・消化器内科・皮膚科|みふねやまクリニック

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バセドウ病~甲状腺の病気は疑うことから~

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2026年5月06日

バセドウ病~甲状腺の病気は疑うことから~

はじめに

内科担当の小林登です。

甲状腺の病気はまれな病気ではなく、すぐそこにある病気です。

昨年、「橋本病~甲状腺の病気は疑うことから~」を作成しました。

すると、「甲状腺に異常があるかもしれない」「甲状腺の病気だと思う。」と多くの患者さんに相談を受けました。

・胸がドキドキする

・寝汗をかくようになった

・ダイエットしていないのに、体重が減ってきている

・集中力が続かない

上記の症状で甲状腺の病気の可能性があります。

今回は橋本病とは反対のホルモンが高くなる病気であり、「バセドウ病」についてわかりやすく説明します。

甲状腺中毒症とは?

甲状腺中毒症とは、血中の甲状腺ホルモンが過剰になり、全身の代謝が亢進した状態です。

これには大きく分けて2つの病態があります。

●甲状腺機能亢進症

甲状腺が自らホルモンを過剰に産生・分泌するもの

例)バセドウ病

●破壊性甲状腺炎

甲状腺組織が壊れ、蓄積されていたホルモンが血中に漏れ出すもの

例)無痛性甲状腺炎

バセドウ病は甲状腺中毒症の中で代表的な病気です。

一つの疾患、三つの名前

図にあるように、

・Parry病

・Graves病

・Basedow病

これらはすべて同じ病気を指しています。

医療の分野ではよくあるのですが、3人の医師により報告されたため、3つの病名があります。

当時は情報伝達が遅かったので、このようなことが起こりえます。

なぜホルモンが過剰にでてしまうのか?

それは、自己抗体の暴走です。

本来、甲状腺は脳(下垂体)からのTSH(甲状腺刺激ホルモン)という信号を受けて働きます。

しかし、バセドウ病では自分の体に対する異常な抗体が生じます。

TSH受容体抗体 (TRAb)が、TSHになりすまして甲状腺を24時間刺激し続けるため、甲状腺は休息することなくホルモンを作り続けてしまうのです。

全身に現れる多彩な「中毒症状」

代謝亢進:食べているのに体重が減る、暑がり、発汗過多。

神経・筋肉:手指の震え、不眠、イライラ感、周期性四肢麻痺。

消化器・皮膚:軟便、下痢、皮膚の痒み、脱毛。

循環器:不整脈(心房細動)、心不全。

高齢者の場合は、典型的な症状が出にくい場合があり、単なる老化や心疾患と誤解されるケースもあります。

働き盛り・子育て世代の女性によく発症する?

図にあるように、罹患率の男女比は1:5です。

また、20~30歳代に頻度が多いとされています。

10代で発症される方も、70歳以上で発症される方もいるので、注意が必要です。

主な薬剤

MMI(メルカゾール):第一選択薬。効果が強く使いやすい。

PTU(チウラジール):妊娠初期やMMIが使えない場合に使用。

薬剤には副作用があり、無顆粒球症、肝機能障害、皮疹には注意が必要です。

治療薬の副作用:無顆粒球症の怖さ

数千人に一人、白血球(顆粒球)が消失し、免疫がなくなる重篤な副作用があります。

それを、「無顆粒球症」とよびます。

服用開始2ヶ月以内に多く、「急な高熱と喉の痛み」が出たら直ちに受診が必要です。

そのため、当院では治療開始2か月は2週間おきに受診をお願いしています。

都度、血液検査を行い、

・無顆粒球症が起こっていないか?

・肝機能などに異常がでていないか?

チェックしています。

さいごに

バセドウ病は適切な診断と治療を行えば、これまで通りの生活を取り戻せる病気です。

動悸や急な体重減少、首の腫れなど、少しでも気になる症状があれば、どうぞ一人で悩まずにご相談ください。

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