便やおしりに関する症状
便やおしりに関する症状
便秘は「本来体外に排出すべき糞便を充分量かつ快適に排出できない状況」と定義され、、疫学調査では男性より女性に多く、特に50歳以下の方では女性比率が高く、男性・女性ともに年齢とともに増加し、70歳以上の方では性差はあまりないとされます。様々な原因があり、器質的(構造的な異常に基づくもの)と機能的(構造は保たれているがその機能に異常が生じているもの)に分類されます。薬局で便秘薬を購入して、内服している方もおられると思いますが、便秘に一様に一つの薬で効果がでるという訳ではなく、どのような原因があるかを探り、それにあった薬剤の調整が必要となります。特に過敏性腸症候群(IBS:irritable bowel syndrome)が隠れていることもあります。過敏性腸症候群とは、お腹の痛みや体の不調に伴って下痢や便秘などが数カ月以上続き、検査をしても異常が見られない場合に最も疑われるのが過敏性腸症候群です。明確な原因は不明ですが、ストレスなど心理的要因が関連していると考えられています。便秘の中でも、便が硬い場合や排便の際に長時間いきむ方は、おしりの症状につながる可能性もあるので、便秘でお悩みの方は、早めにご相談ください。生活習慣の指導や薬剤調整を含め、お悩みに寄り添い、適切な排便コントロールのお手伝いをさせていただきます。
下痢は「便形状が軟便あるいは水様便、かつ排便回数が増加する状態」と定義され、男性の多い傾向がみられるとされています。薬剤性下痢症、食物起因性下痢症、症候性下痢症、感染性下痢症、器質的下痢症、胆汁性下痢症、機能性下痢症、過敏性腸症候群に分類され、この中で皆様が日ごろ多く遭遇するのは、食べ物に「あたった」時かと思います。ウイルスや細菌が消化管内で炎症を引き起こすことで、下痢を来す病態です。便秘の項目で詳しく説明した過敏性腸症候群を元々お持ちの方は、感染性腸炎後の数週間、過敏性腸症候群が悪化することもありますので、注意が必要です。感染性腸炎以外の原因も含め、長引く下痢症は生活の質や労働生産性を低下させる可能性があるとされています。ちょっとしたことでもご相談いただき、早めに生活習慣の改善や薬剤調整を行うことで快適な生活をすごすことが可能となるかもしれません。どうしても便のことなので、相談しにくいかもしれませんが、まずは気軽に一度ご相談ください。
多くの場合は痔が関係していると思われますが、中には大腸がんなど重大な疾患が隠れている可能性もあります。排便時の出血は痔が原因であることは非常に多いです。しかし、生命に関わる大腸がんや潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患や虚血性腸炎などといった重大な病気による出血である可能性もある為、まずはご相談ください。
大腸がんはこの20年で死亡数は1.5倍に拡大していて、生活習慣の欧米化(高脂肪・低繊維食)が関与していると考えられています。放置すると転移や周囲の臓器へ浸潤する可能性もある為、早期発見、早期治療が非常に大事になります。
排便時にひどくいきんだり、ながくいきんだりすることで、肛門部の静脈のうっ滞や、支持組織が弱くなることが原因とされています。出血、腫れ、下着の汚れ、脱出などが主な症状です。大きくなると排便後に自然に戻らず、自身で戻す場合もあり、病態に応じて硬化療法や手術が必要となります。当院では、薬物加療や排便のコントロールを行うことで、症状緩和をお手伝いします。
肛門の皮膚の過伸展や血流障害を原因として、肛門に裂傷を起こしてしまった状態で、主な症状は、排便時に痛みと出血です。急性期は薬物加療に加え、生活指導で治療しますが、慢性化した場合や、繰り返すことで大きな肛門ポリープが形成された場合には手術が必要となる場合があります。
クローン病は、原因不明の全身の消化管に浮腫や潰瘍を形成する病気です。腹痛と下痢が高頻度にみられますが、発熱、栄養障害、血便、肛門病変(痔ろうなど)が現れることもあります。潰瘍性大腸炎は、下痢や血便、腹痛、しぶり腹をきたす病気で、重症化すると発熱、体重減少、貧血などがみられることもあります。いずれの病気も、難病に指定されており、適切な治療により症状を抑制することが大事です。
肛門の近くの血液がうっ滞し、血栓が形成される病態で、痛みと腫れが主な症状です。自然に治る場合もありますが、発症早期であれば、血栓を除去することで、症状緩和や早期治癒が期待できます。
肛門の皮膚の過伸展や血流障害を原因として、肛門に裂傷を起こしてしまった状態で、主な症状は、排便時に痛みと出血です。急性期は薬物加療に加え、生活指導で治療しますが、慢性化した場合や、繰り返すことで大きな肛門ポリープが形成された場合には手術が必要となる場合があります。
肛門小窩に感染が起こり、肛門周囲膿瘍を形成し、自壊・排膿を来すことで、肛門の奥と外に交通ができた状態で、単純なものから複雑なものまで、色々なタイプがあります。かゆみの症状を呈することもあり、一時的に軟膏処置が必要となることがあります。最終的には治癒を目指すには手術が必要となります。
排便後の拭きすぎなどを原因として、ただれやかゆみを来します。単純ヘルペス、帯状疱疹などの感染症の可能性もある為、一度ご相談ください。基本的には皮膚の治療として、軟膏処置を行いますが、排便コントロールや生活指導をあわせて行うこともあります。
排便時にひどくいきんだり、ながくいきんだりすることで、肛門部の静脈のうっ滞や、支持組織が弱くなることが原因とされています。出血、腫れ、下着の汚れ、脱出などが主な症状です。大きくなると排便後に自然に戻らず、自身で戻す場合もあり、病態に応じて硬化療法や手術が必要となります。当院では、薬物加療や排便のコントロールを行うことで、症状緩和をお手伝いします。
肛門小窩に感染が起こり、膿がたまることで肛門周囲膿瘍を形成します。肛門周囲膿瘍の場合には、放置すると痛みの増強や発熱を来すこともある為、早めの対処が必要となりますので、おしりの腫れと痛みがある場合には、早めのご相談をお願いします。
直腸を支えている組織が緩むことで、直腸が肛門外に飛び出す病気です。薬物加療などは奏功しない為、治癒を目指す場合には、手術が必要となります。直腸が脱出して戻らなくなり、痛みなどが出現した場合には、緊急手術を含めた処置が必要となる可能性がある為、早めにご相談ください。
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