皮膚科
皮膚科
皮膚科は皮膚の病気を診断・治療する診療科ですが、皮膚のトラブルは0歳~100歳まで非常に年齢層が広く、疾患の種類も非常に多岐にわたります。原因も様々であり、外的因子、内的因子、加齢など極めて多様です。その中でも、当院では、専門医による質の高い診断と最善の治療を目指しております。また、当院で対応困難な症例については、連携医療機関へ紹介し、治療を行っていただきます。皮膚疾患の検査によって、思わぬ内科的疾患が見つかる場合もありますので、皮膚の異常に気づいたら、一度ご相談ください。
かゆみや赤み、かさつきなどが生じます。ひどい場合は、水ぶくれなどができ、皮がむけることもあります。
原因としては、特定の植物や金属を始め、化粧品や洗剤など様々な刺激によるものが多いですが、自己免疫や食物アレルギー、ダニ、ハウスダスト、ウイルスなど、原因を特定できないものもあります。湿疹・かぶれなどはかゆみを伴うことが多く、つい掻いてしまいがちです。しかし、掻くことで患部をかき壊してしまい化膿や悪化を招き、さらに湿疹が全身に見られることも少なくありません。まずは、原因を除去することが大切です。治療はステロイド外用薬や保湿剤を使用します。かゆみがひどい場合は、抗アレルギー薬でかゆみを軽減します。
じんましんは、突然くっきりと赤く盛り上がり(膨疹)、24時間以内にあとかたもなく消えてしまうのが特徴です。
チクチク感や灼熱感を感じることもあります。数時間で症状が消えても、翌日に出ることもあり、その症状が数日続くこともあります。6週間以上続く場合は「慢性じんましん」と呼ばれ、中には数年にわたり繰り返すこともあります。
じんましんのほとんどは特発性という原因不明のものであり、治療は抗アレルギー薬の内服が中心となります。引っ搔いて皮膚に炎症が生じた場合には、塗り薬を処方します。薬の効果には個人差があるため、患者さんお一人おひとりにあった薬をさがしていくことも大切です。
アトピー性皮膚炎は「かゆみのある湿疹」「良くなったり悪くなったりを繰り返す」「多くの方がアトピー素因をもつ」という特徴があります。
(アトピー素因とは家族にアトピー性皮膚炎の人がいる、喘息や鼻炎の既往があるなどです。)
繰り返す湿疹と皮膚の乾燥が生じ、かき続けると湿疹が拡大し、状態がひどくなります。原因には、乾燥などでバリア機能が低下している皮膚へアレルギー症状を起こす物質が侵入したり、ストレスや皮膚への外的刺激など環境的な要因が挙げられます。
治療は、皮膚の炎症やかゆみに対して抗アレルギー薬の内服や、ステロイドなどの外用薬で皮膚の炎症を抑え、皮膚のバリア機能を高めるスキンケアがメインとなります。近年、アトピー性皮膚炎の病態の解明が進み、注射薬や内服薬など新しい治療が次々に出ており、重症度や希望に応じて治療方法をご提案します。適切な治療を行い、良い状態を目指しましょう。
ニキビは多くの人が経験するとても身近な皮膚疾患です。
思春期から青年期だけでなく、20代、30代になっても続き、大人ニキビとして悩まれる方も少なくありません。
近年マスクによるニキビや肌トラブルが多く、早期から治療していくことが大切です。
原因は、皮脂の過剰な分泌と毛穴の詰まり、アクネ菌の増殖です。さらに大人ニキビは、ホルモンバランスの乱れ、睡眠不足、紫外線、ストレスや生活環境など、様々な要因が複雑に絡み合ってできることが多く、治りにくい特徴があります。
治療は、にきびの種類と重症度を判断し、過酸化ベンゾイル外用薬、レチノイド様外用薬、抗生剤外用を中心に行い、必要に応じて飲み薬も組み合わせていきます。自費診療メニューにはなりますが、ケミカルピーリングやスキンケアのご紹介もありますので、お気軽にご相談ください。
頭の生え際、顔面などの皮脂の分泌が多い部位や、わきの下、足の付け根などの皮膚がこすれて摩擦を受ける部位に生じる皮膚炎です。
患部に黄色~銀白色のフケをともなう赤みがみられるのが特徴です。
原因として、過剰な皮脂の分泌、皮脂成分の異常、常在菌の一種である「マラセチア菌」の増殖、ビタミンの不足、ストレスなどが考えられています。
治療は外用薬を中心に行い、かゆみが強い場合には飲み薬もあります。生活習慣の改善も大切です。
単純ヘルペスウイルスに感染することで引き起こされ、唇の周りや口内に小さな水ぶくれができます。
免疫力の低下や疲労などの要因により、繰り返すことがあります。
治療は抗ヘルペスウイルス薬(飲み薬や外用薬)を使用します。
単純ヘルペスウイルスは神経節に入って潜伏するため、薬で完全に取り除くことができません。そのため寝不足、疲労、かぜなどで免疫力が低下すると再発することがあります。再発を繰り返す場合には、内服薬をあらかじめ処方するPIT療法も適応患者さんへ行っております。
水痘(みずぼうそう)と同じウイルスによって発症する病気です。
頭部から下肢までの間で体の左右どちらかの神経に沿って、痛みを伴う赤い斑点と水ぶくれが帯状に出現します。
ピリピリと刺すような痛みが生じ、夜も眠れないほど激しい場合もあります。
多くは、皮膚症状が治ると痛みも消失しますが、神経の損傷によってその後も痛みが続く「帯状疱疹後神経痛」という合併症が残ることがあります。
帯状疱疹は早く皮膚科を受診し、早期に治療することが非常に大切です。早期治療により、帯状疱疹後疼痛の発症を低減することが期待できます。
帯状疱疹は80歳までに3人に1人はかかる病気で、特に50歳以上では急激に発症率が上昇するため帯状疱疹ワクチンの接種もご検討ください。
*当院には帯状疱疹の予防接種(シングリック)の取り扱いがあります。詳細は予防接種のページをご参照ください。
乾癬は、「皮膚の炎症」と「表皮の新陳代謝の異常」の2つの側面を持つ病気です。少し盛り上がった赤い発疹と、銀白色の鱗屑(りんせつ:皮膚の垢)が見られ、フケのように剥がれ落ちます。
大きさや数、形は様々で、発疹が癒合し大きな病変となることもあります。爪の変形や関節炎を伴うこともあります。刺激を受けやすい部位にできやすく、頭、ひじ、ひざ、でん部、下腿などに多く認められます。
はっきりとした原因はまだ分かっておらず、体質的な要因に、ストレス、喫煙、飲酒、食生活などの環境因子、糖尿病や脂質異常などが加わって発症すると考えられています。
治療は、病気の程度、状況などに応じて外用薬や内服薬、紫外線療法などの治療法を選択します。
水虫は、白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が皮膚に感染することにより、発症する病気です。
足白癬は趾間(しかん:指の間)型、小水疱(しょうすいほう:水ぶくれ)型、角質増殖型のタイプに分類されます。
趾間型は、足指の間の皮膚がふやけたように白く濁り、じくじく、かさかさ、赤み、水ぶくれなどが生じます。
小水疱型は、土踏まずや足指に水ぶくれや細かい皮むけが生じます。
角質増殖型は、踵(かかと)を中心に足裏の皮膚が厚くなり、ひび割れたり、粉をふいたりした状態になります。
これらのタイプが混在することもありますし、かゆみがないこともあります。
治療は病態に応じて塗り薬や内服薬を使用します。内服薬を処方する場合は、今の内服されている薬などを確認して、十分副作用に留意します。
いぼは、ウイルス感染による尋常性疣贅(ゆうぜい)が多いです。
いぼのウイルスは傷などから皮膚に入り、皮膚の深層の細胞に感染して、周囲の正常細胞を押しのけて増殖し続けます。
痛みやかゆみは伴いませんが、放置するとさらに増えたり、人にうつしたりすることがあります。
小児からご年配の方まで男女を問わずみられます。
いぼができ、掻いて治そうとするとかえってウイルスを拡散してしまう可能性があります。
いぼを見つけたときは、数が少ないうちにご相談ください。
いぼの治療は、液体窒素による冷凍凝固療法などがありますが、貼り薬、漢方薬を併用するなどご本人に適しているものを選んで行います。
足の皮膚の一部分に慢性的な圧迫などの刺激が加わり発症します。
たこは皮膚の表面の角質が部分的に厚くなるもので多くの場合、痛みはありませんが、痛みや赤みを伴う場合は、細菌感染を起こしている可能性がありますので、早めに皮膚科を受診してください。
うおのめは厚くなった部分にさらに刺激を受けて硬く、芯を持つようになってきます。
歩く度に刺激され痛みが生じます。治療は削って硬くなった角質を除去します。
爪の変形とそれによって生じる痛みや皮膚の障害です。
陥入爪は、爪の端が周囲の皮膚に食い込んで炎症を起こしている状態です。
一方、巻き爪は、爪の端が内側に巻いている爪の変形です。
陥入爪と巻き爪は厳密には別の疾患ですが、巻き爪が陥入爪を起こす原因となる場合があり、治療法や予防法にも共通する点があります。
巻き爪で悩んでいる方の中に、爪白癬など他の病気が隠れていることがありますので、まず一度ご相談ください。
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