2025年10月04日

はじめに
内科担当の小林登です。
10月に入り、ぐっと冷え込んできたためか、体調不良の方の受診が多くなってきています。
全国的にみると約1か月早めにインフルエンザの流行を迎える予想がされており、
インフルエンザワクチンに関するお問い合わせも増えてきています。
昨年は「インフルエンザとは何か?」に関して、コラムを作成しました。
くわしくは「今年大流行のインフルエンザ」をご覧ください。
今回は、2025年のインフルエンザに関する流行する型や時期についてお話します。
どの型のウイルスが流行しやすいのか?

この夏の南半球(オーストラリアなど)では、インフルエンザA(H1N1)型が多く検出されました。
このことから、日本でもこのA(H1N1)型が流行の中心となる可能性が指摘されています。
その型は重症化しやすいのか?
A(H1N1)型は、基礎疾患のない若い方でも肺炎などを合併して重症化することがある、注意が必要なタイプです。
特にご高齢の方や基礎疾患をお持ちの方は、しっかりと対策をする必要があります。
いつ頃から流行すると想定されているのか?
例年、流行のピークは1月~2月ですが、近年は開始時期が早まる傾向にあります。
先ほどお話した通り、都市部では既に患者さんの報告が始まっているため、本格的な流行の波に備えて10月~11月中のワクチン接種をおすすめします。
インフルエンザの予防方法

インフルエンザを予防する有効な方法としては、以下が挙げられます。
1) 流行前のワクチン接種
インフルエンザワクチンは、感染後に発症する可能性を低減させる効果と、発症した場合の重症化防止に有効と報告されております。
2) 外出後の手洗い等
流水・石鹸による手洗いは手指など体についたインフルエンザウイルスを物理的に除去するために有効な方法であり、インフルエンザに限らず接触や飛沫感染などを感染経路とする感染症の対策の基本です。インフルエンザウイルスにはアルコール製剤による手指衛生も効果があります。
3) 適度な湿度の保持
空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が低下し、インフルエンザにかかりやすくなります。特に乾燥しやすい室内では、加湿器などを使って適切な湿度(50~60%)を保つことも効果的です。
4) 十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
体の抵抗力を高めるために、十分な休養とバランスのとれた栄養摂取を日ごろから心がけましょう。
5) 人混みや繁華街への外出を控える
インフルエンザが流行してきたら、特に御高齢の方や基礎疾患のある方、妊婦、体調の悪い方、睡眠不足の方は、人混みや繁華街への外出を控えましょう。やむを得ず外出して人混みに入る可能性がある場合には、ある程度、飛沫感染等を防ぐことができる不織布(ふしょくふ)製マスクを着用することは一つの防御策と考えられます。
インフルエンザワクチンの接種時期・回数は?

インフルエンザの流行期に免疫力をつけておくようにワクチンの接種時期を考える必要があります。
インフルエンザワクチンの場合、接種した後、予防に必要な抗体産生が得られるまでには約2週かかるとされています。
そのため、11月~12月中旬までにワクチン接種を済ませておくことが望ましいとされています。
ただし、いろいろな事情で接種が遅くなる方もいるかと思いますが、当院では遅くとも12月末~1月初めまでに接種を済ませておくことをおすすめしています。
また、ワクチン接種をしてからの抗体の効果持続期間は約4ヶ月間あるとされており、11月初旬に接種しても、流行期を乗り越えられますので、ご安心ください。
また、接種回数は、6か月~12才までは2回接種が原則で、13才以上は1回接種となります。
2回接種の場合、1~4週間あけて接種します(インフルエンザが流行し始めた場合は短い間隔で接種してもよいでしょう)
2025年の当院でのインフルエンザワクチンの接種について

*価格:3,300円(税込み) 一部補助対象の方がおられます。
*3歳以上を対象
*インボイス対応
予約方法はWEB予約のみ(10/14~2週間先の予約まで可)となります。
*直接来院でも接種は可能ですが、混雑緩和の為にWEB予約をお願いします。
直接来院の方は、待ち時間が比較的少ない①11時頃、②15:00頃の来院をご検討ください。