はじめに

皮膚科担当の小林佑佳です。

徐々に暑くなり、「紫外線」が気になる季節になってきました。

年々増加している紫外線。

紫外線量が多い月は、一般的に4月から9月頃までとされています。

特に５月から8月は紫外線量が最も多く、日焼けしやすい季節です。

すこし早いかな？と思うこの時期からしっかり対策をして頂く為、わかりやすく説明します。

「光老化」って聞いたことがありますか？

紫外線は、肌を黒くするだけではなく、肌の老化に深く関係しています。

これは「光老化」と呼ばれ、加齢による自然老化と区別されています。

肌の老化の原因の80％はこの「光老化」といわれています。

「光老化」がすすむことで、シミ・シワの形成につながっていきます。

そのため、1年を通じて紫外線対策をすることがとても大切です。

日焼け止めについて

紫外線は年中降り注いでおり、曇りの日でも約80％は地上に到達しています。

お肌のためには、毎日の日焼け止め使用が望ましいです。

紫外線が増えるこの時期に、日焼け止めの効果・正しい使い方をもう一度確認してほしいと思います。

＜日焼け止めの効果＞

・皮膚がんのリスク軽減

・シミ、そばかすの予防

・「光老化」に伴うシワの抑制

・肌の乾燥の予防

＜正しい使い方＞

・適切な量を塗る

・全顔にムラなく塗る

・首や耳、耳の裏など塗り残しがないように

・2～3時間おきに塗り直すことで、より確実な紫外線対策ができます。

「塗る」日焼け止め

日焼け止めには、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の２種類があり、それぞれ異なる方法で紫外線を防ぎます。

・紫外線吸収剤

パラアミノ安息香酸などを主成分とし、化学反応を利用した紫外線予防です。

遮光能力が高いが、刺激性を認める場合もあります。

・紫外線散乱剤

酸化チタンなどを主成分とし、反射・散乱により紫外線を予防します。

「ノンケミカル製品」と表示されることもあり、刺激感が少ないですが、白残りしやすいなどの使用感にデメリットもあります。

普通肌で、今まで日焼け止めにまけたことがない方、屋外などで強い紫外線を浴びる機会がある場合などは、紫外線吸収剤を使用しても問題ないかと思いますが、敏感肌やお子様、またクレンジングを使用する習慣のない方は、紫外線散乱剤を使用するほうがよいでしょう。

最近は、研究や開発が進み、紫外線吸収剤をコーティングして、お肌への刺激を抑えたタイプの日焼け止めや、紫外線散乱剤でも粒子の形状やサイズを変えることに成功し、使用感が改善されている日焼け止めも多くあります。

「塗る」日焼け止めは適量を塗りましょう

顔に使用する場合、クリームタイプの日焼け止めはパール粒２個分、乳液タイプは１円硬貨２枚分が目安になります。

それぞれの量を額、鼻の上、両頬、アゴに分けて置き、そこからまんべんなく丁寧に塗り伸ばしてください。

鼻の上、両頬など、日光が当たりやすい部位には重ねるように使用してください。

また、「マスクをするから大丈夫！」ではありません。

マスクは紫外線を通しますので、ご注意ください。

「飲む」日焼け止め

日焼け止めは「塗る」だけではありません。

今はインナーケアとして飲む日焼けもあります。

飲む日焼け止めは、サプリメントの一種となります。

日焼け止めの効果を補うサプリメントであり、皮膚だけでなく、目や血管など、さまざまな部分の酸化を緩和する効果が期待できます。

紫外線から受ける影響を軽減が期待できます。

あくまでも日焼け止めの効果を補うサプリメントであり、サプリメント単体ではしっかりとした日焼け止め効果は期待できません。

塗る日焼け止めとの併用をお勧めします。

飲む日焼け止めについて、当院では２種類、取り扱いがございます。

患者さんのライフスタイルに合わせておススメが異なりますので、診察時にお気軽にご相談ください。

・U・Vlock

１粒で24時間続く「飲む日焼け止め」です。

シトラス果実・ローズマリー葉エキス250mg配合で、紫外線を浴びた際に体内から発生する活性酵素を除去したり、抗炎症作用があります。

その他6種類（ビタミンC、ビタミンD、葛花抽出物、シルクペプチド、プロテオグリカン、白キクラゲエキス）の美白成分も入っております。
美肌に導くビタミンＣやシルクペプチドなどが配合されていますのでアンチエイジングのサプリメントとしてもお使いいただけます。

レジャー時のピンポイントでご使用する場合は、日焼けする前日～３日後まで摂取していただくことをおススメします。

万が一日焼けしてしまった後でも、その直後からU・Vlockを内服することで、肌へのダメージを極力抑えることができます。

・ソルプロ

紫外線により大量発生する老化の原因物質「活性酵素」を抑え、さらに糖化を予防する効果もあるマリンポリフェノールが主成分です。

他にもシトラス、ローズマリー、セイヨウサンザシ、ドクダミ、ローマカミツレ、桜の花、マンゴスチン、ヒシ、ブドウ葉の10種類のエキスを配合し、体の中から紫外線対策と糖化抑制をサポートします。

飲み続けることで紫外線に強い肌になることが言われており、日々の紫外線対策の強い味方となります。

さいごに

今回は、紫外線と日焼けの予防策についておはなししました。

「塗る」日焼け止め＋「飲む」日焼け止め

ダブルの対策で紫外線の多い今からの時期をのりきりましょう！！

当院の外来では通常の皮膚科外来だけでなく、美容皮膚科も行っております。

日焼け止めの相談や日焼けによるシミなどについて相談が可能です。

是非一度当院へご相談ください。