2025年3月20日

はじめに
内科担当の小林登です。
当院の発熱外来では、インフルエンザ、COVID19感染症、マイコプラズマなどの様々な感染症の診断を行っています。
昨年はマイコプラズマ感染症が大流行し、年末年始には、インフルエンザが大流行しました。
もちろん、原因の病原体が特定できない場合もあります。
症状改善しないために、複数回受診され、肺炎の診断にいたる場合もあります。
このように、発熱外来といっても、鼻の検査をして「コロナでもインフルでもないので、はい、終わり」ではいけない訳です。
私自身、感染症の流行状況を考慮し、年齢・基礎疾患などから病原体をイメージしつつ診療にあたっています。
その中でも、今回お話する溶連菌感染も見過ごせません。
溶連菌感染はこどもに多く認めますが、大人の方でも発症することもある為、注意が必要です。
溶連菌感染とは

溶連菌の正確な名前は、”A群β溶連菌”と言います。
潜伏期間は2~5日。
症状は、
・38~39℃以上の突然の発熱
・のどの痛み・リンパ節の腫れ
を初期に認めることが多く、風邪のような咳や鼻水は出にくいのが特徴です。
特に咽頭部に白い苔のようなものが付着している場合にはこの病気を疑います。
またお子さんの場合には、猩紅熱と呼ばれる体や手足に赤色の発疹が広がったり、舌が苺のように腫れる苺舌を認めることもあります。
通常は11月~4月、6月~8月に流行することが多い感染症です
溶連菌感染の感染経路は
咳やくしゃみによってばい菌が口に入ることで発症する“飛沫感染”と、食事などでばい菌を共有することで発症する“接触感染”があります。
したがって、溶連菌感染症が疑われる あるいは診断された方がご家族にいる場合は、手洗いやうがい・マスク着用など感染予防に努めることが必要です。
溶連菌感染の検査

新型コロナウイルスの検査と同様で抗原検査を行います。
違う点としては、長い綿棒でのどの奥の方を軽くこする点です。
お子さんの検査の場合、鼻からの検査は容易でも、口を開けてくれないとこの検査の場合、非常にこまりますので、一生懸命あやして口を開けてもらう努力をしています。
当院では発熱や咽頭痛が主な症状の方、診察で咽頭部に白い苔を認める場合に、溶連菌抗原検査をおすすめしています。
溶連菌感染の治療

溶連菌感染症の治療は抗生剤治療です。
ペニシリン系の抗生剤であるサワシリンやオーグメンチンで治療を行うことが一般的です。
また後に説明する合併症を予防する為にも、症状が消失しても抗生剤は計10日間しっかり飲み切ることが大切です。
尚、市販の風邪薬は根本治療にはなりませんので注意が必要です。
また、この病気の場合、薬を飲んだら治療終了ではありません。
合併症として、急性糸球体腎炎やリウマチ熱があるためです。
特に急性糸球体腎炎は溶連菌感染から1~3週間後に発症し、むくみなどの症状を引き起こしますが、まれに重症化や慢性化する場合もあります。
したがって溶連菌感染が確定した場合、当院では2~3週間後に尿検査をおすすめし、尿蛋白や尿潜血がないかを確認しております。
さいごに

溶連菌感染についてお話しました。
溶連菌感染症は発熱外来で見逃せない病気のひとつです。
典型的な咽頭痛と発熱という症状であれば、比較的スムーズに診断に至ります。
しかし、非典型的な場合には、流行状況を考え、総合的に考えていく必要がある為、診断まで時間がかかる場合もあります。
発熱外来受診の際には、ぜひ周囲に同様の症状がいるかわかる範囲で教えてもらえると診断の一助となります。
当院の発熱外来は、発熱や咽頭痛、咳など、感冒症状のある方が対象です。
受診歴の有無に関わらず発熱患者等の受入れを行っております。
また、通常外来の方との導線をできるだけ分け、感染対策に注意をしておりますので、安心して受診してください。
*受診される際には、ぜひWEB予約をご利用ください。
*ご来院の際は、必ずマスクをご着用ください。