2025年5月08日

はじめに
皮膚科担当の小林佑佳です。
夏に増える皮膚ウイルス感染症に「水いぼ」があります。
子供に多い病気で、治療が…とにかく痛いんです。
今回は、
・水いぼについて説明
・当院で取り扱いを始めた優しい治療法
についてご案内したいと思います。
水いぼとは?

水いぼは、医学用語では「伝染性軟属腫」と言います。
ポックスウイルスに属する伝染性軟属腫ウイルスによってイボができます。
症状は、1~5㎜程度の光沢のあるイボができます。イボの中央にくぼみがあり、その中に白い芯のような部分が見られます。
ウイルスに感染して、14~50日程度で症状があらわれます。
そのため、一旦治療してよくなっても、すでに感染していたウイルスによって水いぼがまた出ることがあります。
水いぼは、胸やおなかなど皮膚の薄いところ、またわきの下や大腿内側など擦れやすいところによくできます。
皮膚が薄くてバリア機能が未熟な子供に感染しやすく、プールのビート版などを介して感染することがあります。
当院では、ピンセットで摘み取る方法が、早くて確実な方法と考えます。
しかし、痛みを伴うことが多いため、麻酔のテープ剤を使用して行っております。
麻酔のテープの効果がでるまで30分程度かかりますので、水いぼかな?と思って受診する際には、時間に余裕をもって来院してください。
水いぼは取らないといけないの?

水いぼは、自然に治りますが、それまでには長期間(6ヵ月~5年)かかります。
その間に、他の場所に移ったり、他の人にうつしたりすることがあります。
また、かゆみを伴う為に掻きむしってしまい、
・とびひなどの他の皮膚感染症を引き起こしたり
・アトピー性皮膚炎がひどくなったりすること
があるので、数が少ないうちに治療する方がよいでしょう。
登校してよいのか?登園してよいのか?についてのご質問をいただくことがあります。
日本皮膚科学会から発表されている皮膚の学校感染症に関する統一見解ですが、
・「治療することを推奨」
・「プールなどの肌の触れ合う場ではタオルや水着、ビート板や浮き輪の共用を控えるなどの
配慮が必要だが、この疾患のために、学校を休む必要はなし」
となっております。
取る以外に方法はないの?

麻酔のテープ剤を使用するとはいえ、痛みを伴う処置は子供にとってとてもつらいです。
イボの個数が多いと、痛みだけでなく、怖かったりもするので、泣いて抵抗するもの当然です。
そこで、塗るだけのクリームという選択肢ができました。
銀イオン配合クリーム(M-BF CREAM)です。
銀イオン配合クリーム(M-BF CREAM)とは?

このクリームは、強い抗菌作用のある銀イオンが配合されております。
人体や動物には安全であることがわかっています。
クリームの外用を始めたあと、2週間~2か月程度で水いぼが赤く変化します。
効果が現れてきたサインです。
その後、1ヵ月前後で水いぼが消えていきます。
水いぼの範囲により必要量が異なるため、治療完了までに必要な本数はなんともいえません。
しかし、今までの痛みを伴う水いぼ治療に、ようやく痛みのない治療が出てきました。
水いぼの数も少なく、一度で取ることができる場合、
子供が頑張れる場合は、摘除をおススメしますが、
・水いぼが広範囲にある
・痛みに対する恐怖心が強い
など、治療が困難な場合は、クリームという選択肢を検討してください。
※銀イオン配合クリームは自費診療になります。
※1本2.200円(税込)です。
※購入前には医師の診察が必要です(クリームのみの販売は致しておりません)。
※時期により入荷困難となる場合があります。
さいごに

今回は、当院で取り扱いを始めた銀イオン配合クリーム(M-BF CREAM)についてお話しました。
水いぼ治療はお子様にとって辛いものです。
治療に携わる我々も、お子様を励まし、できるだけ早く治療を終えるべく努力します。
それでもお子様が治療を受け入れられない場合に、選択肢のひとつとしてお考え下さい。