2025年3月24日

はじめに
皮膚科担当の小林佑佳です。
突然ですが、インターネットで様々な情報が手に入れられる時代です。
生成AIを駆使する方もいるでしょう。
ただ、その中でも、学会が出すガイドラインや論文は研究成果や多くの識者が意見をぶつけ合って作られるものであり、今の時代も我々医師が頼る知識の結集です。
小難しい話となりましたが、今回はガイドラインや論文の一部を紹介しつつ、「ニキビ」についてお話しします。
皆さんのニキビ治療の参考になればと思います。
以下のガイドライン、論文より一部抜粋、改変しております。
●日本皮膚科学会「尋常性ざ瘡・酒さ治療ガイドライン2023」
●日本美容皮膚科学会雑誌(2024年11月号)
ニキビは身近な皮膚科疾患

「ニキビ」は90%以上の人が罹患する身近な皮膚科疾患です。
できるだけニキビ跡を残さないようにするためにも、発症早期に炎症したニキビを減らし、定期的な治療の継続を行うことが重要です。
みなさんは、
「ニキビはだれでもなるから、わざわざ病院を受診するなんて」
「ほっといてもいずれ治るから」
と受診をためらっていませんか?
ニキビ患者さんのなかで、実際に医療機関を受診する人の割合は、わずか10~15%程度に過ぎません。
世界的にみても非常に低い水準なのです。
さらに、一度医療機関を受診しても治療の途中で通院を中断してしまう患者さんも多く、継続して治療を行う割合も低いと報告されています。
お悩みの方は、まずは一度皮膚科を受診してみてはいかがでしょうか。
ニキビの治療について

ニキビ治療の基本は、保険診療です!
いきなり高額なスキンケア商品を購入する前に医療機関でご相談ください。
中心となる治療は、アダパレン・過酸化ベンゾイル・抗菌薬など毛穴のつまりを改善するお薬・アクネ菌の増殖を抑えるお薬を使用します。
いくつか種類ありますので、重症度など患者さんの状態に合わせておすすめしています。
また、必要に応じて、抗生剤の内服や漢方薬も提案していきます。
保険治療ではありませんが、治療効果が期待できるものとして、
・ケミカルピーリング
・スキンケア
・アゼライン酸クリーム
・ビタミンCローション
などがあります。
詳細は受診時に、ご相談ください。
ニキビ治療にはスキンケアも大切です!

日本皮膚科学会から公表されているニキビ治療のガイドラインでも、ニキビ患者さんは
・1日2回の洗顔
・低刺激でノンコメドジェニックなニキビ用基礎化粧品を選択すること
が推奨されています。
洗顔もゴシゴシ洗うのはなく、しっかり泡立てて、泡はテニスボールほどの十分な量で、指の腹で優しく洗い、ぬるま湯で充分に洗い流してください。
先ほどご説明したアダパレンや過酸化ベンゾイルなどの治療薬は、しばしば乾燥や皮むけ、ピリピリとした刺激感などの副作用症状が見られます。
しかし、ニキビ用基礎化粧品を併用することで、ニキビ治療薬による皮膚への刺激を緩和し、効果を高めながら治療を進めることが期待できると言われています。
ニキビ治療とスキンケア製品の併用がニキビ治療の効果を上げ、副作用を和らげる報告はありますが、今までその因果関係が不明確なものでした。
ニキビ治療はスキンケア製品との併用が有効!

しかしながら、今回ご紹介する論文で、ニキビ治療とスキンケア製品の併用がニキビ治療の効果が上げることが臨床試験により示されました。
日本美容皮膚科学会雑誌(2024年11月号)に投稿された論文「尋常性ざ瘡おけるコラージュリペア®スキンケア製品併用による有用性」を簡単にご説明します。
結果は、コラージュリペア®シリーズのスキンケア製品を併用することで、試験終了時(8週)に総皮疹・膿疱(膿んだ赤ニキビ)数・面皰(毛穴つまり)数の有意な減少を認めました。
さらにニキビ治療に伴う皮めくれや乾燥症状、炎症後の赤みや黒ずみも試験終了時に有意に改善しました。
一方、自覚症状は、刺激感が試験開始2週間後のみ有意に改善しましたが、かゆみなどは有意な変化は認めませんでした。
結論として、コラージュリペア®シリーズのスキンケア製品がニキビ患者さんの治療に併用して、ニキビを悪化させず、乾燥や皮むけなどニキビ治療薬による副作用を緩和することが示されました。
ガイドラインで推奨されるニキビ用スキンケア製品の基準に合うと考えられるという結果になりました。
今回の論文で使用したスキンケア化粧品は、抗炎症効果を示すトラネキサム酸と浸透型セラミドを配合しているのが特徴で、ノンコメドジェニックテスト済みの低刺激性の保湿用スキンケア製品です。
トラネキサム酸は人工的に合成されたアミノ酸の一種で、美容をはじめ医療用としても幅広く活用されている成分です。
また、浸透型セラミドは肌のバリア機能を保つラメラ構造を維持するために大切なうるおい成分です。
ニキビ治療において、「低刺激でノンコメドジェニックな基礎化粧品」と限定的ではありますが、しっかりスキンケアで保湿していきましょう。
さいごに

ニキビは、
「わざわざ病院へ行かなくても」
「いずれ治るもの」
ではなく、早めに保険診療での治療を始め、同時に正しいスキンケアでしっかり保湿することが大切と考え、おひとりおひとり診療にあたっています。
当院へ受診された際には、その大事さをお伝えできるのではないかと思います。
*当院ではコラージュリペア®スキンケア製品の取り扱いがあり、サンプルもございます。
*ご希望の商品がありましたら、お取り寄せも可能ですので、ご相談ください。
*基礎化粧品を使う習慣のない方にも低刺激性・ノンコメドジェニックテスト済のかお用保湿乳液もありますので、診察時にご相談ください。