2025年4月28日

はじめに
内科担当の小林登です。
そろそろGWですね。
人によっては、健康診断が終わり、そろそろ結果が手元に来ている頃かと思います。
そんな方でコレステロール値が高いと言われた方はいませんか?
コレステロール値が高いのに放置していませんか?
そこで、今回はコレステロールの数値が高い方へむけておはなしします。
コレステロールとは?
コレステロールには、悪玉コレステロールと善玉コレステロールがあります。
・悪玉コレステロール(LDLコレステロール)
・善玉コレステロール(HDLコレステロール)
一般的にコレステロールと聞くと、何となく悪いものという気がします。
しかし、実はコレステロールは人体に大事な「ホルモン」や「細胞膜」の原料です。
ただの悪者ではないのです。
しかし、悪玉コレステロールは動脈硬化の原因の一つでもあります。
やはり数値が高い方は放置してはまずいんです。
一方で、善玉コレステロールは、低い場合には動脈硬化を引き起こす原因になります。
それは、血管内にたまったコレステロールを肝臓へ戻すことで動脈硬化の進行を予防する為です。
「コレステロールが高い」とは??

一般に言う、「コレステロールが高い」とは、悪玉コレステロールが高い状態を指します。
LDLコレステロールは、余分なコレステロールを血管の壁に沈着させることで動脈硬化を引き起こす強力な要因となり、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞や脳出血、閉塞性動脈硬化症など、様々な臓器の血管が狭くなったり詰まったりする病気を引き起こします。
「コレステロールが高い」の基準は?

上の図は日本動脈硬化学会からのガイドラインより抜粋しており、脂質異常症の診断基準を示しています。
健康診断の結果で、「高い」とされているのとは少し違うかもしれません。
また、悪玉コレステロールが「高い」から、すぐに薬を始めるわけでもありません。
元々の病気、喫煙歴、運動習慣などを考慮し、くすりを始めるか検討します。
実際の診察では、その方がひとりひとりに適した目標値を設定し、適切な薬を開始するように心がけています。
脂質異常症とは?

脂質異常症とは、コレステロールや中性脂肪の値が異常値を示すことをいいます。
以前には「高脂血症」と呼ばれていました。
しかし、善玉コレステロールは低い方が悪いので、「脂質異常症」という病名に変わりました。
脂質異常症は、症状がなくでもじわじわ血管の中で動脈硬化を進め、突然心筋梗塞や、狭心症、脳梗塞などを発症させる怖い病気です。
脂質異常症の方はとても多く、その治療薬には多くの種類があります。
診療では、それぞれの特徴をみて、ひとりひとりに適した薬剤を選択する必要があるのです。
さいごに

今回はコレステロールについてお話しました。
健康診断でコレステロール値が高いと言われた方はまずはかかりつけ医へご相談ください。
以前にコレステロール値が高いと言われ、放置している方はまずは検査をうけるようにしましょう。
飲み薬が始まった方は、「なぜくすりをのんでいるのか?」を知り、自身の目標値に向き合いましょう。
さいごに、みなさん、かかりつけ医はお持ちですか?
当院は「あのクリニックに行ったら何とかしてくれる」と言っていただけるよう、患者さんへの適切な医療の提供をおこなうべく、がんばっています。
かかりつけ医がまだ決まっていない方は、一度当院へご相談ください。